第121章

会社の最上階だけ、まだ灯りが落ちていなかった。

大島莉理はデスクに向かい、モニターに映る数字を睨みつけていた。だが頭の中は、どうにも散らかっている。田中辰哉は、会社の1階で呼び止められて連れていかれたのだ。

直接耳にしたわけじゃない。それでも田中爺さんが何を言うかくらい、想像はつく。辰哉に難癖をつけるのか、締め上げるのか――そんなことを考えると胸がざわついた。もっとも、辰哉本人のことは心配していない。あの人はそう簡単に折れるような男じゃないし、田中爺さんだって手放すほど愚かではない。

問題は――自分だ。

莉理は小さく首を振り、余計な考えを振り払う。無理やり意識を仕事へ戻した。

時刻...

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